薬剤師夫婦の日常

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大腸がんで血便のある患者にリマプロストを継続すべきか

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

 

 

 

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リマプロストとは

 

 

 

リマプロストはプロスタグランジンE₁誘導体であり、血小板凝集抑制作用と末梢血管拡張作用を有する薬剤である。臨床的には脊柱管狭窄症に伴う間欠性跛行の改善目的で処方されることがあるが、効果は補助的な位置付けにとどまる。

 

 

 

出血リスクと添付文書上の注意

 

 

 

リマプロストは血小板凝集抑制作用を持つため、消化性潰瘍や出血性疾患を有する患者では出血を助長する可能性がある。そのため添付文書にも「慎重投与」と明記されており、活動性出血の存在下では特に注意を要する。

 

 

 

大腸がんと血便の病態

 

 

 

大腸がんにおける血便は、腫瘍表面のびらんや潰瘍からの出血に由来する。これは止血しにくい性質を持つため、抗血小板作用を有する薬剤が加わることで出血量の増加や止血困難を引き起こす可能性が高まる。

 

 

 

ベネフィットとリスクの比較

 

 

 

脊柱管狭窄症に対するリマプロストの効果は「間欠性跛行の改善」に限られ、根治的治療ではない。一方で、大腸がん患者における血便は生命予後やQOLに直結する重大な問題である。このバランスを考慮すると、出血リスクが優位であり、リマプロスト継続は推奨できない。

 

 

 

代替手段

 

 

 

脊柱管狭窄症の症状緩和には、NSAIDs(ただし消化管出血リスクに注意)、プレガバリンやデュロキセチン、理学療法などの代替手段が存在する。がん治療計画との整合性を考慮しつつ、多職種連携のもとで治療方針を再検討すべきである。

 

 

 

まとめ

 

 

 

大腸がんに伴う血便がある患者において、リマプロストを継続することは出血リスクの観点から推奨できない。特に活動性出血が認められる状況では中止が妥当であり、代替治療の検討が必要である。薬剤のベネフィットとリスクを天秤にかけ、より安全な治療戦略を選択することが重要である。