薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

PPIと副作用の意外な落とし穴 ― 治療期間の目安と、エソメプラゾール・ランソプラゾールの違い ―

薬剤師夫婦/夫です。 プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療において欠かせない薬剤です。一般的に、胃潰瘍では8週間、十二指腸潰瘍では6週間の投与が標準的な治療期間とされており、これらは多くのガイドラインで…

経口困難事例の鎮痛薬選択

薬剤師夫婦/夫です。 経口困難事例は日常的に遭遇する 臨床現場では「痛みがあるが内服できない」という状況に頻繁に遭遇します。高齢者、術後、嚥下障害、せん妄など、経口困難事例は決して特殊ではありません。このような場面で重要なのは、「注射にすれ…

GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の併用は必要か。

薬剤師夫婦/夫です。 糖尿病治療では、GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1RA)とDPP-4阻害薬はいずれもインクレチン関連薬として使用されています。そのため、「この2剤を併用してもよいのか?」と疑問に思われることがあります。 結論からお伝えすると、GLP-1…

デュロキセチンは「どの科で使うか」で見え方が変わる薬

薬剤師夫婦/夫です。 デュロキセチン(サインバルタ®️)は、整形外科と精神科の両方で処方される薬です。 適応が異なるためですが、適応が違っても「やめ方」は共通で、ここを誤解すると中止時のトラブルにつながります。 整形外科でのデュロキセチン 整形…

同じナトリウムチャネル遮断薬なのに、なぜ嚥下への影響が違うのか

薬剤師夫婦/夫です。 抗不整脈薬の服薬支援をしていると、 「同じナトリウムチャネル遮断薬なのに、なぜメキシレチンは嚥下に影響して、ピルシカイニドは問題になりにくいのか」 と疑問に感じる場面があります。今回は、その違いを整理します。 Vaughan Wil…

第1世代抗ヒスタミン薬2剤併用は保険上問題になるのか?〜耳鼻科処方を考察する〜

薬剤師夫婦/夫です。 今回は、耳鼻科で見かけた抗ヒスタミン薬の処方について、「保険適応上の観点」も含めて考察してみたいと思います。 症例の概要 30代女性。 処方内容 ・ヒドロキシジン25mg 夕食後1カプセル ・d-クロルフェニラミン2mg 朝夕食後2錠(い…

セレネース®️筋注・静注の違いを「ハロペリドール」として整理する

薬剤師夫婦/夫です。 急性期病棟やリハビリ病棟、緩和ケア領域において、不穏や興奮に対して用いられる薬剤の代表がハロペリドールである。 日本では商品名「セレネース®️」として馴染みが深いが、本稿ではあえて一般名であるハロペリドールとして整理する…

動物咬傷後に蜂窩織炎を疑ったときの抗菌薬設計 ― 注射から内服への切り替えと併用の考え方 ―

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 動物咬傷は一見軽症に見えても、数十時間以内に急速な局所炎症を来すことがある。特に皮膚・皮下組織に感染が波及した場合、蜂窩織炎として重症化するリスクがあるため、初期の抗菌薬選択と治療設計が重要となる。 本稿では、…

B型肝炎ワクチン接種とホルモン治療の併用は問題になるのか

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに B型肝炎ワクチンは、医療従事者や若年層を中心に接種機会が増えている。一方で、婦人科領域では月経困難症や子宮内膜症などに対して、黄体ホルモン作用を有する薬剤が広く使用されている。 本記事では、黄体ホルモン製剤を服…

薬剤師が診察に同席するという選択 ― 三叉神経痛疑いの一例から見える有用性 ―

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 薬剤師の役割は「処方された薬を安全に渡すこと」だけではない。近年、病棟や外来、在宅の現場において、診察に薬剤師が同席する意義が改めて問われている。本稿では、顔面痛を主訴とする患者の診察に薬剤師が同席した一場面…

ダパグリフロジン研修に感じた違和感 ――「推察」と「確認」の決定的な差

薬剤師夫婦/夫です。 SGLT2阻害薬、とりわけダパグリフロジンに関する研修を視聴する中で、強い違和感を覚えた。 「カルテが見れないので」「薬歴を遡る」「患者からキーワード(KW)を聞き出す」といった発言が繰り返されたからである。 結論から言えば、…

乳酸カルシウムの継続意義を再考する ──骨粗鬆症治療における“カルシウム補給薬”の本当の役割**

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 乳酸カルシウムは外来で長期間処方されていることが多い。しかし、その本質はカルシウム補給薬であり、骨密度改善や骨折予防といった骨粗鬆症治療効果をもつわけではない。この誤解こそ、入院時に見直しが必要となる理由であ…

ペマフィブラート0.4mgからフェノフィブラートへの代替はどう考えるべきか

薬剤師夫婦/夫です。 あっという間に1ヶ月。 主に地域コミュニティ開拓(名目)の為、色々と動いてました。 ブログが滞り申し訳ありません。 いつも読んでいただきありがとうございます。 ぼちぼちやっていきます。 中性脂肪(TG)管理において、ペマフィブラ…

デノスマブが骨折予防に最も信頼される理由

薬剤師夫婦/夫です。 骨粗鬆症治療薬のなかで、デノスマブは最も確かなエビデンスを持つ骨吸収抑制薬である。 ガイドライン(GL)上はビスホスホネート(BP)と同じ推奨度Aに位置づけられているが、 臨床試験の質と長期データの豊富さでは明らかに一歩上をいく…

ロモソズマブはなぜ「一生で12か月」だけなのか

薬剤師夫婦/夫です。 骨粗鬆症治療薬のなかでも、ロモソズマブは特別な位置づけにある。 それは、生涯で12か月(=12回)までしか使用できないという明確な制限がある一方で、 **日本骨粗鬆症学会のガイドラインでも最も高い推奨(推奨度A)**を受けている…