薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

終末期がん患者の呼吸困難―SpO₂だけでは見えない苦しさをどう評価するか

薬剤師夫婦/夫です。 SpO₂が正常でも呼吸困難は起こる 終末期がん患者では、「息が苦しい」という訴えにしばしば遭遇します。 こうした場面でまず確認されるのがSpO₂ですが、酸素化が保たれていても呼吸困難は起こり得ます。 呼吸困難は、低酸素血症そのも…

最近の近況|仕事も家族も、自分らしく

薬剤師夫婦/夫です。 最近は薬の話ばかり書いていたので、今回は少し近況を書いてみようと思います。 子どもたちの成長 子どもたちは毎日元気いっぱい。 長男は少しずつお兄ちゃんらしくなり、弟や妹の面倒を見る姿を見ることも増えてきました。 休日に会え…

高齢者にジアゼパム坐剤を使うときの注意点|追加投与の目安と坐剤分割の実践知識

薬剤師夫婦/夫です。 夜間当直中、病棟からこんな相談を受けました。 「ジアゼパム坐剤は何時間空けて使用できますか?」 「1日に何回まで使用できますか?」 小児では使用経験の多い薬ですが、高齢者では使用頻度が比較的少なく、対応に迷う場面もあります…

用時溶解だけじゃない!カンレノ酸カリウム注射で知っておきたい配合変化

薬剤師夫婦/夫です。 夜間当番や病棟業務で、「カンレノ酸カリウムは他の薬剤と一緒に流しても大丈夫ですか?」という問い合わせを受けた経験はありませんか。 「用時溶解」ということは知っていても、なぜ混注に注意が必要なのかまで理解していると、より…

ドネペジルとドンペリドンはなぜ併用注意?「末梢性だから大丈夫」だけではない理由

薬剤師夫婦/夫です。 「ドネペジルとドンペリドンは併用注意ですよ。」 病棟で処方を確認していると、この組み合わせに遭遇することがあります。 認知症患者さんでは、ドネペジルによる悪心・嘔吐に対してドンペリドンが処方される場面も少なくありません。…

強オピオイド導入時にトラマドールは継続する?―薬剤師が考える「強オピオイド単独で評価する」という発想

薬剤師夫婦/夫です。 がん疼痛や慢性疼痛の治療では、トラマドールからヒドロモルフォンやモルヒネ、オキシコドンなどの強オピオイドへ切り替える場面があります。 その際に悩むことがあるのが、 「強オピオイドを開始してもトラマドールは継続した方がよい…

点滴抗菌薬1日2回。輸液がないと毎回穿刺? ― 生食ロックという選択肢

薬剤師夫婦/夫です。 点滴抗菌薬が1日2回処方された患者さん 輸液本体の処方がなければ、「次回投与時には再度穿刺が必要なのでは?」と思ったことはないでしょうか。 実は、そのようなケースでは**「生食ロック(生理食塩液ロック)」**という選択肢があり…

「なぜアマンタジン?」知っているようで知らない処方意図

薬剤師夫婦/夫です。 「アマンタジン」と聞いて、何を思い浮かべますか? 抗パーキンソン病薬というイメージを持つ方が多いと思いますが、実はA型インフルエンザにも適応を持つ、少し珍しい歴史を持った薬です。 現在では、A型インフルエンザウイルスの多く…

ランマーク投与中のビタミンD併用は必要?デノタスとエルデカルシトールの使い分けを解説

薬剤師夫婦/夫です。 ランマーク(デノスマブ)投与中の補助療法として、「ビタミンDは併用すべきか?」という疑問は臨床で非常に多い。結論から言えば、ビタミンDの併用は原則必要である。ただし、「どのビタミンDか」によって意味合いは大きく異なる。 ラ…

添付文書から読み解く「半減期」の正しい解釈

薬剤師夫婦/夫です。 ボルタレン坐剤の添付文書を確認すると、ジクロフェナクの血中半減期は約1〜2時間と記載されている。 この数値だけを見ると、 > 「2時間くらいで効果が切れるのでは?」 と解釈したくなるが、これは誤りである。 半減期とは何を意味す…

「レセ摘に書く」とはどういう意味か ― 経腸栄養をめぐるメーカー説明とレセプト実務のズレ ―

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 近年、経腸栄養剤や栄養保持を目的とした医薬品をめぐり、「今後は処方の仕方が変わる可能性がある」といった説明をメーカーから受ける機会が増えている。 筆者も、経腸栄養剤メーカー(アボットジャパン)より、中医協の協議…

下腿浮腫をどう読むか ― アムロジピン10mgからニフェジピンCR20mgへ変更した理由 ―

薬剤師夫婦/夫です。 結論 下腿浮腫の原因が不明な症例において、アムロジピン10mg(最大量)をニフェジピンCR20mgへ変更し評価した判断は、薬理学的にも臨床的にも妥当と考えます。 本介入は「治療」ではなく「評価」を目的とした、実践的で安全性を重視し…

PPIと副作用の意外な落とし穴 ― 治療期間の目安と、エソメプラゾール・ランソプラゾールの違い ―

薬剤師夫婦/夫です。 プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療において欠かせない薬剤です。一般的に、胃潰瘍では8週間、十二指腸潰瘍では6週間の投与が標準的な治療期間とされており、これらは多くのガイドラインで…

経口困難事例の鎮痛薬選択

薬剤師夫婦/夫です。 経口困難事例は日常的に遭遇する 臨床現場では「痛みがあるが内服できない」という状況に頻繁に遭遇します。高齢者、術後、嚥下障害、せん妄など、経口困難事例は決して特殊ではありません。このような場面で重要なのは、「注射にすれ…

GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の併用は必要か。

薬剤師夫婦/夫です。 糖尿病治療では、GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1RA)とDPP-4阻害薬はいずれもインクレチン関連薬として使用されています。そのため、「この2剤を併用してもよいのか?」と疑問に思われることがあります。 結論からお伝えすると、GLP-1…