薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

ランマーク投与中のビタミンD併用は必要?デノタスとエルデカルシトールの使い分けを解説

薬剤師夫婦/夫です。 ランマーク(デノスマブ)投与中の補助療法として、「ビタミンDは併用すべきか?」という疑問は臨床で非常に多い。結論から言えば、ビタミンDの併用は原則必要である。ただし、「どのビタミンDか」によって意味合いは大きく異なる。 ラ…

添付文書から読み解く「半減期」の正しい解釈

薬剤師夫婦/夫です。 ボルタレン坐剤の添付文書を確認すると、ジクロフェナクの血中半減期は約1〜2時間と記載されている。 この数値だけを見ると、 > 「2時間くらいで効果が切れるのでは?」 と解釈したくなるが、これは誤りである。 半減期とは何を意味す…

「レセ摘に書く」とはどういう意味か ― 経腸栄養をめぐるメーカー説明とレセプト実務のズレ ―

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 近年、経腸栄養剤や栄養保持を目的とした医薬品をめぐり、「今後は処方の仕方が変わる可能性がある」といった説明をメーカーから受ける機会が増えている。 筆者も、経腸栄養剤メーカー(アボットジャパン)より、中医協の協議…

下腿浮腫をどう読むか ― アムロジピン10mgからニフェジピンCR20mgへ変更した理由 ―

薬剤師夫婦/夫です。 結論 下腿浮腫の原因が不明な症例において、アムロジピン10mg(最大量)をニフェジピンCR20mgへ変更し評価した判断は、薬理学的にも臨床的にも妥当と考えます。 本介入は「治療」ではなく「評価」を目的とした、実践的で安全性を重視し…

PPIと副作用の意外な落とし穴 ― 治療期間の目安と、エソメプラゾール・ランソプラゾールの違い ―

薬剤師夫婦/夫です。 プロトンポンプ阻害薬(PPI)は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などの治療において欠かせない薬剤です。一般的に、胃潰瘍では8週間、十二指腸潰瘍では6週間の投与が標準的な治療期間とされており、これらは多くのガイドラインで…

経口困難事例の鎮痛薬選択

薬剤師夫婦/夫です。 経口困難事例は日常的に遭遇する 臨床現場では「痛みがあるが内服できない」という状況に頻繁に遭遇します。高齢者、術後、嚥下障害、せん妄など、経口困難事例は決して特殊ではありません。このような場面で重要なのは、「注射にすれ…

GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬の併用は必要か。

薬剤師夫婦/夫です。 糖尿病治療では、GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1RA)とDPP-4阻害薬はいずれもインクレチン関連薬として使用されています。そのため、「この2剤を併用してもよいのか?」と疑問に思われることがあります。 結論からお伝えすると、GLP-1…

デュロキセチンは「どの科で使うか」で見え方が変わる薬

薬剤師夫婦/夫です。 デュロキセチン(サインバルタ®️)は、整形外科と精神科の両方で処方される薬です。 適応が異なるためですが、適応が違っても「やめ方」は共通で、ここを誤解すると中止時のトラブルにつながります。 整形外科でのデュロキセチン 整形…

同じナトリウムチャネル遮断薬なのに、なぜ嚥下への影響が違うのか

薬剤師夫婦/夫です。 抗不整脈薬の服薬支援をしていると、 「同じナトリウムチャネル遮断薬なのに、なぜメキシレチンは嚥下に影響して、ピルシカイニドは問題になりにくいのか」 と疑問に感じる場面があります。今回は、その違いを整理します。 Vaughan Wil…

第1世代抗ヒスタミン薬2剤併用は保険上問題になるのか?〜耳鼻科処方を考察する〜

薬剤師夫婦/夫です。 今回は、耳鼻科で見かけた抗ヒスタミン薬の処方について、「保険適応上の観点」も含めて考察してみたいと思います。 症例の概要 30代女性。 処方内容 ・ヒドロキシジン25mg 夕食後1カプセル ・d-クロルフェニラミン2mg 朝夕食後2錠(い…

セレネース®️筋注・静注の違いを「ハロペリドール」として整理する

薬剤師夫婦/夫です。 急性期病棟やリハビリ病棟、緩和ケア領域において、不穏や興奮に対して用いられる薬剤の代表がハロペリドールである。 日本では商品名「セレネース®️」として馴染みが深いが、本稿ではあえて一般名であるハロペリドールとして整理する…

動物咬傷後に蜂窩織炎を疑ったときの抗菌薬設計 ― 注射から内服への切り替えと併用の考え方 ―

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 動物咬傷は一見軽症に見えても、数十時間以内に急速な局所炎症を来すことがある。特に皮膚・皮下組織に感染が波及した場合、蜂窩織炎として重症化するリスクがあるため、初期の抗菌薬選択と治療設計が重要となる。 本稿では、…

B型肝炎ワクチン接種とホルモン治療の併用は問題になるのか

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに B型肝炎ワクチンは、医療従事者や若年層を中心に接種機会が増えている。一方で、婦人科領域では月経困難症や子宮内膜症などに対して、黄体ホルモン作用を有する薬剤が広く使用されている。 本記事では、黄体ホルモン製剤を服…

薬剤師が診察に同席するという選択 ― 三叉神経痛疑いの一例から見える有用性 ―

薬剤師夫婦/夫です。 はじめに 薬剤師の役割は「処方された薬を安全に渡すこと」だけではない。近年、病棟や外来、在宅の現場において、診察に薬剤師が同席する意義が改めて問われている。本稿では、顔面痛を主訴とする患者の診察に薬剤師が同席した一場面…

ダパグリフロジン研修に感じた違和感 ――「推察」と「確認」の決定的な差

薬剤師夫婦/夫です。 SGLT2阻害薬、とりわけダパグリフロジンに関する研修を視聴する中で、強い違和感を覚えた。 「カルテが見れないので」「薬歴を遡る」「患者からキーワード(KW)を聞き出す」といった発言が繰り返されたからである。 結論から言えば、…