薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【神戸】神事への参加

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

岡山→新神戸→三宮→神戸空港

 

単身赴任先には普段、新幹線を利用している。

 

今回は、インフルエンザ(A)感染という想定外が発生した為、関西での予定をキャンセルして飛行機の搭乗機を変更した。

 

インフルエンザ(A)発症を0日目とした6日目以降の便へ、診断書を提出し手続きをした。

 

診断書の発行に2,500円程かかったが、それでも改めて新幹線を取るよりも断然安く済んだ。

 

ただ時間的には自宅から5,6hrかかる事を考えると、やはり新幹線の方が楽なのは間違いないと思う。

 

関西での予定が何かというと、毎年恒例の神事である。

 

場所は昔住んでいたこともある西宮。

 

かれこれ5年連続参加していた。

 

今年は残念ながら不参加となったが、来年はまた必ず参加したい。

 

自分でも参加に何故ここまで拘るのかわからない。

 

そこで出会った人達とは一年に一度しか会わない。

 

普段の生活で関わりのある人は一人もいない。

 

ただ単にそこだけでの縁がある。

 

同じ熱量で神事に参加している。

 

くじで当たると当たり組(A,B)として先頭で走ることができる。

 

倍率は10倍。

 

私は当たったことがない。

 

0:00からくじを引き終わった直後、ハズレ組(C)の先頭にダッシュする。

 

そこにはもう既にハズレ組の仲間が座っている。

 

「お久しぶりです。」

 

氷点下になる寒さの中、梱包材等で体を包みコンビニで買った熱燗と共にそこから一晩明かす。

 

見ず知らずの人達と、今の仕事、住む場所、家族などの話をしたりこの一年を振り返ったりする。

 

そんな話をしていると寒さも相まって不思議と絆が深まる。

 

4:00になるとくじの当たり組(A,B)が動き出し、ハズレ(我々)はそわそわし出す。

 

5:00になるとハズレ組(C)も当たり組の後方に並ぶ。

 

5:45には電車の始発組が到着し、1500人程度がハズレ組の後方に駅まで列を作る。

 

10分前になるとハズレ組の先頭に立つ人間には1500人の圧力と殺気が背中に感じられる。

 

勿論これは神事。

 

少しでも早く境内に辿り着く為、ハズレ組も全力疾走する。

 

但し全力疾走する理由はそれだけではない。

 

身の危険を感じている。

 

当たり組も毎年開門と同時に転倒しているが、ハズレ組で転倒すればある意味当たり組の転倒より危険である。

 

後ろからは1500人が流れ込んでくる。

 

そのスリルがこの神事のハズレ組の醍醐味なのかもしれない。

 

『また来年!同じ場所で。』

 

前方で「開もーーーん!!」の声が聞こえる30秒前にお互いの無事を祈りつつ声を掛け合う。

 

寒さとプレッシャーで声は震える。

 

6:00の掛け声と一瞬の静寂、その直後の『バタン!』と言う扉の開く音と共にまずは当たり組(A)100人が走り出し、すぐに(B)が続く。

 

(B)の最後方を徒歩で、警備員のバリケードにビタッと張り付く形で(C)が続く。

 

門の10m前まで来ると警備員の隙間やバリケードを強引に突破する形で(C)も走り出す。

 

早ければ(B)の後方を追い越すことができる。

 

そんな競技、いや神事である。

 

門を潜れば一夜を共にした仲間とは1年間会う事はない。

 

境内には既に200人、後ろからは1000人以上が流れ込み、その中から探し出す事はほぼ不可能となる。

 

そこにドラマがあるのかもしれない。

 

読者の方で興味のある方は是非一緒に神事に参加しよう。

 

きっと人生の質が向上すると思う。

 

注意⚠️暖かい格好かつ全力疾走できる格好(フードなし)で参加することをお勧めする。