薬剤師夫婦/夫です。
今日は情報収集について。
理系学生なら一度は原著論文を読み、そこから得られる情報を吟味し考察し自分の見解を述べた経験があると思います。
今、その時の経験が生きる力となって必要となる時期にあると感じています。
具体的には、このコ○ナウイルスによるパンデミックにおいて、何が正しくて何が正しくない情報なのかを判断しなければならない状況です。
間違えば大切な人を失いかねません。
知識が命に直結する事態と危機感を新たにしています。
ご存知の通り、薬物治療における臨床試験にはエビデンスレベルがあり、デザインされた試験によって科学的根拠の信頼性が異なります。
各原著論文についても、論文が掲載されている雑誌のインパクトファクターや引用回数について吟味し、信頼に値するものか判断しなければ、自身の見解に揺らぎが生じます。
また、医薬品情報の正確性についても正しく知らなければなりません。
情報の種類にはその加工度によって一次資料~三次資料があります。
一次資料は原著論文など。
- 加工度は低い分、情報が早く手に届きますが、信頼性に乏しく、正確性に欠けます。
二次資料はPubMedなどの情報検索ツール。
- 原著論文を検索する機能であり、様々な論文を比較し、より正確な情報を得ることができます。
三次使用は教科書です。
- PubMedなどに投稿された多くの原著論文から導かれた、より確かな情報を集約したものでエビデンスレベルがMAXのものしか載りません。
- ただし、掲載には時間がかかる為、教科書に乗った段階でもう古い情報になっている可能性があります。
このように医療の情報を吟味する為だけでも知識を持ってなければ情報を評価することさえできません。
尊敬する人が言っているから、身近な信頼できる人が言っているから、みんなが言っているから、、、
これら全て科学的な根拠は乏しく、議論になりません。
科学的根拠を持って、議論すればいつか正解にたどり着きます。
正解にたどり着くのに時間がかかるのも事実です。
自分のできる限りことをして『待つ』ということも大切です。
不安に苛まれて、感情的になっている方を見かけたので。
ここは冷静に状況を把握し、理系らしく合理的・理論的に行動することが求められていると感じたので記事にしてみた次第です。