薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【薬剤師国家試験】将棋で言う『と金』

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

ーーー国試は国試を受けた人にしかわからない

 

大学受験とも違う。

 

通って当たり前と言うプレッシャー。

 

精神力が試される。

 

国家資格を与える素質と能力があるか、国から確認される試験。

 

と言うより、

 

ーーー資格を与えて『問題がないか』を確認される試験

 

だと思っている。

 

非常にシビア。

 

つまり、問題がある人には与えられない。。。

 

六年間、他の学部生が遊んでる中で寝ずに薬学を学んだ。

 

その自覚があるからこそ(自分に)負けられない。

 

頭と体力(主)と時間を使って、メンタル削って卒業しても、その対価は二日間の国試に集約される。

 

緊張しないわけがない。

 

とにかく不安になる。

 

国試を終えてみれば良い経験だったと思うが、もう(生まれ変わっても)受けたくない。

 

国試に受かってからもその後一年間は薬剤師になってない夢、これから国試を受ける夢を週一回は見ていた。

 

10年以上経った今でもたまに見る。

 

『もう薬剤師になったんだ。』

 

とホッとして起床する。

 

それだけ凄まじいストレスだったと言うことか。

 

学生時代の部活で自分の体を限界まで追い込み、仲間と汗や涙を流した。

 

その経験からメンタルは十分に鍛えられたと思っていた。

 

それでも国試では精神的に追い込まれた。

 

部活の経験がなければ戦えなかったと思うが、とにかく異質だった。

 

定期テストと違って徹夜は通用しない。

 

膨大な範囲の知識を脳に定着させなければならない。

 

知識の定着は繰り返しと戦略が必要。

 

自分の脳の癖も知らなければならない。

 

脳の癖を知るとは、自分を見つめる時間でもある。

 

まさに精神力が試される。

 

自分の覚えやすいパターンを分析して把握する。

 

マンネリするのでその時々で少しずつ勉強方法も変える。

 

得意分野、苦手分野全てと向き合う。

 

分野毎での赤点は一つでもあれば即不合格となる。

 

苦手も度を超えると資格は与えられない。

 

私が最も心掛けたのは『皆んなが取るところを取る』

 

正答率の高い(60%以上)問題を全て取れば合格することがわかっている。

 

そこに集中して皆んなが知ってることは自分も知ってるようにする。

 

さらに自分の脳の癖を分析した結果、人に教えることを心掛けた。

 

人に教えることが最も知識として脳に定着しやすいと言われているし実際それが実感としてあった。

 

ーーー

 

昨今はzoomなどインターネットで家にいながら授業が受けられる。

 

オフラインの価値はもはや授業を受けることにはなく、仲間に教え合う機会があることが最大の価値ではないかと思っている。

 

ーーー

 

国試本番、解いても解いても自信がない。

 

『落ちたかも』(本気)

 

休憩時間の会話が耳に入ってくる。

 

「牡蠣の問題、あれノロでしょ?」

「いや、あれ引っかけで一酸化炭素でしょ。」

 

など誰も確信がない中で飛び交う会話に不安が募る。

 

『会社の人、家族、大切な人、誰も自分が落ちるとは思ってない。そんな中でもし落ちたらどうなる。』

 

ネガティブに考え出したらキリがない。

 

とにかく問題を解き続けるしかない。

 

全日程が終了すると自己採点。

 

予備校のシステムで大体の合否が確認できる。

 

因みに私がどの時点で合格を確信したか。

 

それは二日目の昼休憩。

 

身内からLINEが入った。

 

「あと4割取れば良いから大丈夫だよ。」

 

通常二日目は七〜八割は取れる。

 

どれだけ想定外が起きても五割を切ることはない。

 

そう確信したとき安堵して涙が出てきた。

 

正直心のどこかで『もしかしたら安心させる為に適当な事を言ってるのかも』と疑った。

 

それでも二日目の後半は心が軽くなってスラスラ解けた。

 

問題が解きやすかった事もあるが、その連絡があったお陰でそんな精神状態に持っていけたのは間違いない。

 

国家試験受験資格者から薬剤師になった。

 

社会で資格を生かす仕事をするなら資格は最低条件。

 

資格を持った上で何ができるかが評価の対象。

 

ーーー歩兵は前にしか進めない@将棋

 

だが境界を越えて『と金』になれば、前だけじゃなく横、後ろ、斜め前に動く事ができる。

 

つまり選択肢が増える。

 

これは、と金(薬剤師、有資格者)にならないと(動き方が)わからない。

 

歩兵(薬剤師国家試験受験資格者)がと金(薬剤師)になって初めて理解できる。

 

ーーー可能性が広がる

 

なってみないとわからない世界がある。

 

これから有資格者になる人は『時間をかけただけ価値のある資格』だと思って、一日でも早く資格がとれるようにがんばってほしい。