薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【剤形】ちょっとの違いが大違い

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

今日はサラゾスルファピリジンについて。

 

長ったらしい名前ですが、薬物名です。

 

構造式をほぼそのまま言い表しています。

 

今回はその構造式についてではなく、実際に使われている剤形についてお話ししようと思います。

 

剤形とは薬の形です。

 

薬は錠剤・カプセル・散剤・顆粒剤など同じ薬でもその姿・形を変えて世に出ています。

 

殆どが形が変わっても同じ有効成分なら同じ効能効果を持つものですが、このサラゾスルファピリジンは違います。

 

サラゾスルファピリジン錠

適応:潰瘍性大腸炎

 

サラゾスルファピリジン腸溶錠

適応:関節リウマチ

 

なぜこの違いが生まれるか。

 

簡単に説明すると、錠剤は腸管全体で溶解して腸内細菌により5ーアミノサリチル酸に分解され効果を発揮するのに対して、腸溶錠は腸管で一気に溶解する為に腸内細菌に分解される間もなく吸収され腸管から全身循環に入り、免疫系を抑制します。

 

同じ有効成分でも消化管での吸収のされ方の違いで効能効果にまで違いが出てしまうのは薬の奥の深いところです。

 

他にもこのような例はあるのでまた解説できればと思います。