薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【地域差】普遍的なもの

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

今日は薬剤師の仕事について。

 

薬剤師には医師の処方箋に基づき調剤する以外に『その処方が正しいかどうか』を『鑑査』する仕事があります。

 

薬学的観点からその処方が不適切と考えられる場合は医師に疑義照会して場合によってはその処方の調剤を拒否することもできます。(拒否はまずありませんが)

 

今日、抗生剤が患者さんに処方され、用法を見たところ1日2回朝夕食後となっていました。

 

しかしその薬は1日1回で効果を最大化できる薬であり、添付文書(おくすりの説明書)上も1日1回となっています。

 

疑義照会の結果、用法は1日1回へ変更となりました。

 

理由としても、抗生物質の適正使用を促進する為、耐性菌防止の観点から薬学的知識(PK/PD理論)を用いた判断のもと行った疑義照会のため、それに伴う加算を算定してもらうように指示しました。

 

そこで他の薬剤師から「これは医師のケアレスミスであり、加算の対象ではない」と指摘されました。

 

様々な事情(①私自身店舗に来てまだ日が浅く、都道府県レベルでレセプト請求した時の判定の差がまだ把握できていない②施設入居の方であり、その指摘をした薬剤師は施設担当者であった③当局は個別指導の対象店舗である可能性が高い)を考え加算をしない判断をしました。

 

ですが、なんだかスッキリしませんでした。

 

「ケアレスミスを見つけるのが薬剤師の仕事では?」と帰宅後話を聞いた妻は言いました。

 

確かに。

 

明らかな打ち間違いではない(仮に打ち間違いだとしても)と判断し、薬学的観点からその理由もはっきりと説明できることから算定しても不適切ではないと思いますが、ここは堪えます。

 

ここで無駄に衝突をしても(理解ある大人な薬剤師なので衝突しませんが)良いこと無いと思います。

 

身近な人が私と同じ意見であればそれで十分です。

 

だから私は国語より数学が好きなんです。

 

文章の解釈によっていくつも答えが出てくる国語と、答えが一つしかない(数学でも3個の答えがあることもありますが、それは3個の答えがあると言う一つの答え)数学。

 

法の解釈で仕事をする法律家の方たちを本当に尊敬します。

 

私は数学や化学の世界で『普遍的なもの』を基に仕事ができることを嬉しく思います。

 

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