薬剤師夫婦/夫です。

急に耳が聞こえにくくなる「突発性難聴」。誰にでも突然起こりうる疾患であり、できるだけ早期の対応が重要です。この突発性難聴の治療として、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の内服は、現在の医療現場で「標準的に使われている治療法」とされています。
突発性難聴にはステロイドが第一選択
突発性難聴では、明らかな原因が特定されないまま突然聴力が落ちることが多く、「内耳の炎症や循環障害」が関与していると考えられています。そのため、炎症を抑える目的でプレドニゾロン(プレドニン)などのステロイドを内服することが推奨されています。
発症から早ければ早いほど、治療による回復効果が高いことが知られており、特に発症から数日以内の高用量ステロイド投与が検討されます。
ステロイドの用量と投与例
一般的には、プレドニン30〜60mg/日で開始されることが多く、症状の重さや全身状態によって調整されます。
たとえば、以下のような投与スケジュールが採られることがあります。
プレドニン60mg/日を7日間内服 → その後40mg → 20mgと徐々に減量
または、プレドニン30mg/日を7日間固定投与 → 徐々に中止
このように、60mg/日という用量も重症例に対しては一般的な範囲内の治療法であり、特に「急性期の迅速な対応」が求められる疾患においては、決して珍しいものではありません。
内服が難しい・効果が乏しい場合の選択肢
内服が難しい患者や、内服ステロイドで十分な効果が得られない場合には、以下のような代替治療も行われます。
ステロイドの点滴静注(例:メチルプレドニゾロン)
鼓室内ステロイド注入:鼓膜から直接ステロイドを中耳に注入する方法
これらは特に再発例や難治例で検討される治療法です。
他の難聴に対してはどうか?
突発性難聴に対してはステロイドは第一選択ですが、それ以外の難聴では使用の是非が異なります。
繰り返す低音障害型感音難聴(例:メニエール病)
→ 一部で補助的に使用されますが、効果は限定的です。
加齢性難聴や慢性難聴
→ ステロイドの効果はほとんど認められず、使用は推奨されていません。
副作用にも注意が必要
ステロイド内服は効果が高い一方で、副作用にも注意しなければなりません。とくに、
- 高血糖
- 感染症の悪化
- 精神症状
- 消化性潰瘍
などのリスクがあるため、糖尿病患者や高齢者では慎重な投与が求められます。
まとめ
難聴、とくに突発性難聴に対しては、ステロイドの内服治療が標準的に行われており、60mg/日という高用量も一般的な治療範囲に含まれます。
ただし、ステロイド治療にはリスクも伴うため、耳鼻科医の診察のもと、早期に適切な治療を受けることが重要です。
