薬剤師 夫です。
市販薬シリーズ 第一弾
処方箋医薬品でも漢方はツムラが主流です。
クラシエ、小太郎など他の漢方製薬メーカーにもそれぞれ特徴があり、同じ漢方でも構成生薬が異なる事で効きめが変わってくるのは面白いです。
さて、今回ご紹介するのはその’’ツムラの葛根湯’’です。
寒気がしたら速攻で買いに行きます。
8割がたこれで治ります。
(先月インフルエンザにかかった私が言うと説得力に欠けるかもしれませんが。。。)
漢方全般、食前などの空腹時の方が効果が高いので私は食前に飲みます。
飲みやすくはないのですが、効くような気がします。
この『気』が大切です。(漢方中医学においても気血水があるように・・・)
プラセボ効果と言うと聞いたことがある方も多いと思います。
臨床試験では薬の評価をする為に、ある集団には試験薬(サンプル)、別の集団には薬効の無い薬(乳糖などのプラセボ)を投与します。
薬効が無い薬を投与されたにも関わらず、ある一定数試験薬の期待する効果と同じ効果が出る方がいらっしゃいます。
これがプラセボ効果です。
いわゆる思い込みによる影響です。
(臨床試験のデザインなどによっては思い込めない事もあるので、その場合は何かの偶然が重なった事が考えられます。)
この思い込みや偶然を科学的には排除して、その薬そのものの効果を客観的に評価するのが臨床試験です。
サンプルとプラセボを比較し、統計学的に有意な差がなければ、効果なしと判断し薬とはなりません。
このように、世に出る薬の評価においてもヒトの思い込みによる影響は無視できないのです。
漢方の紹介でプラセボ効果について解説するのは若干失礼な話かもしれませんが、今は西洋の薬だけでなく東洋の薬=漢方を併用して疾患を治療することが多くなってきました。
「風邪をひいたらとりあえずコレ」「これを飲んだらもう大丈夫」
という薬を一つ持っていることは重要かもしれません。
セルフメディケーションは社会保障費の削減の為、国としても推し進めていることでもあります。
受診したときに市販薬の影響で診断が難しくなる可能性がある為、沢山の薬を常備薬として使用することは推奨しません。
また、漢方の場合、証による分類や細かな症状に応じて漢方が変わったり、煎じ薬の場合は構成生薬が変更されます。
究極に単純化すると、風邪の初期で自分が体力のある方だと自覚するなら葛根湯、体力に自信がなくどちらかというとひ弱だという方は麻黄附子細辛湯を選択してはいかがでしょう。
ちょっと風邪が長引いてるなら竹筎温胆湯をお勧めします。
余談ですが、私の祖父は傷や虫刺されがあると全てにオロナイン軟膏を塗っていました。
今見たら少しアドバイスするかもしれませんが、それで本人は良くなると信じていましたし、実際に治っていたので、あれも思い込みによる効果が働いていたかもしれません。