薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【説明書には書いてない】医療の担い手として薬剤師が出来る事

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

転職して2が月が過ぎ、毎日一杯一杯ですが、なんとか新天地での生活にも慣れてきました。

 

新しい職場は訪問がメインで、退院時カンファレンスや担当者会議にも多く出席します。

 

外来メインではなかなか機会がなかった分、今必死で吸収しています。

 

そこで毎回思う事があります。

 

『薬剤師って何が求められてるんだろう』

 

はっきり言って薬剤師が会議で発言することは多くありません。

 

薬の管理のお手伝いをします。とか薬を診察のあった当日か翌日にはお届けします。とか。

 

それは患者さんに対する表面的な仕事の説明で、薬剤師の仕事は見えにくいので、その分他職種へのアピールも必要かなと個人的には思ったりします。

 

例えば、定期的に飲む薬の飲み込みが難しくなった場合、錠剤やカプセルを粉にしないといけない時があります。

 

薬によっては徐放性と言って、製剤的な工夫がなされてるものに関しては粉にできなかったりします。

 

それだけでなく、成分的に粉にすると副作用が出やすくなったり飲み込みを悪化させる事もあります。

 

メキシレチンという薬は不整脈(心室性)に使われますが、粉砕して粉にすると喉が痺れてしまう事が想定されます。

 

薬理学的に考えれば、Naチャネル遮断で神経をブロックするので、容易に想像できますが、添付文書(薬の説明書)には飲み込みの悪い人に粉にして投与する時は注意などそんな細かいところまでは勿論書いていません。

 

(↑これが薬剤師の職能ではないかと考えています。)

 

飲み込みの悪い人の喉が痺れたら誤嚥の可能性、肺炎のリスクが上がってしまいます。

 

薬剤師はこういう場合代替案を準備しますが、やはりどうしても替えが利かない場合や病態上変更のリスクがある場合は処方はそのままに飲むタイミングを変えるなどで工夫します。

 

メキシレチンの粉砕(粉にすること)の場合、食事や服薬を終えた一番最後に単独で服薬し、その後しばらくは飲食を避けてもらうようにします。

 

一包化している場合はメキシレチンだけ別包にすることも大切な工夫の一つです。

 

このようにして、処方薬はそのままに薬の作用を最大限に発揮させ、安全に使用できるように情報提供するのが薬剤師の仕事です。

 

カンファレンスの時、私はこういった内容を発言する事をまだ躊躇ってしまいます。

 

『全体で言うことではないか』

 

『もっと重要な事を皆話してるから後でいいか』

 

など。

 

これからもっと場数を踏んで、これは全体で共有した方が良い情報だと思ったら積極的に発言しようと思います。

 

その決意表明として書いてみました。笑

 

それでは。