薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【リウマチ】薬物治療の移り変わり

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

今日は関節リウマチ(RA)について。

 

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名前は耳にした事があると思います。

 

関節が腫れて曲がらなくなるんでしょ?

 

などと詳しくご存知の方もいるのではないでしょうか。

 

関節リウマチは膠原病の一つで、自己免疫疾患です。

 

有病率は0.5〜1%と少なくありません。

 

『慢性増殖性滑膜炎による骨関節破壊を特徴とする全身性炎症性疾患』と定義されます。

 

関節以外の症状としては、間質性肺炎や血管炎などを呈することもあります。

 

血液検査や画像検査による診断がされ、治療は以下の4本柱です。

 

●基礎療法(日常生活の工夫)

●薬物治療

●手術療法

●リハビリ

 

治療は早期の方が良いことがわかってきており、中心となる薬物治療でも早くから開始する事で関節破壊の進行を抑制します

 

抗リウマチ薬の分類は6種。

 

①csDMARDs

②bDMARDs

③JAK阻害薬

④ステロイド

⑤NSAIDs

⑥鎮痛薬

 

第一選択となるのは①に分類されるうちのメトトレキサート。

 

関節リウマチにおいては、毎日飲むのではなく、曜日を決めて決められた量を服用します。

 

効果不十分でその他のcsDMARDsを追加。

 

3ヶ月を目安に改善が見られなければ、②bMARDsの追加も検討します。

 

何れの段階においても、必要に応じて④ステロイドの追加も考慮されます。

 

ステロイドと聞くと副作用など、怖いイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、用法用量をしっかり守って、自己判断での中止は絶対しないでください。

 

急な中止や増減量により、リバウンドや予後不良の原因になることがあります。

 

それでも効果不十分の場合は③JAK阻害薬が使われます。

 

個人的にはエビデンス(科学的根拠)が集約されれば第一選択になりうる薬物と考えています。

 

エビデンスの集約には時間がかかるのも事実であり、逆にデータの豊富な①MTXの選択は最も無難で良い選択であると考えられます。

 

残りの⑤⑥は何れの段階においても補助的に使用され、薬物治療の中心とはなり得ません。

 

これらの薬を服用、使用して寛解を目指します。

 

目指す寛解とは、

 

★機能的寛解・・・QOLの維持

★臨床的寛解・・・関節の痛み、腫脹の抑制

★構造的寛解・・・骨びらん(関節破壊)や関節裂隙(れつげき)の狭小化抑制

 

を指します。

 

日常生活を送るうえでお困りの方、このブログを読んで少しでも気になった方は早急に近隣の整形外科に受診されることをお勧めします。

 

繰り返しになりますが、治療は早い方が予後が良いです。

 

[reference]

薬剤師の為の疾患別薬物治療Ⅳ (南江堂)