薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【薬剤師の存在意義】医師と協議することにこそある

 

薬剤師夫婦/夫です。


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薬剤師という職能の価値は、単なる調剤や鑑査にとどまらない。むしろ真価が発揮されるのは、医師と薬剤師が対話し、協議する場面にこそあると考える。

 

 

 

医師は「薬だけ」を見ていない

 

例えば、「眼精疲労に使う点眼薬は?」「類天疱瘡の原因になり得る薬剤は?」「この2剤の合剤はあっただろうか?」といった疑問。これらは調べれば医師でも答えに辿り着ける内容である。しかし、現実にはそう簡単ではない。

 


医師は診断、治療、家族対応、書類業務、チームマネジメントなど、多くの責任を並行して担っている。その中で薬剤の詳細にまでリソースを割くことは、しばしば難しいのが実情だ。

 

 

 

薬剤師は「薬だけ」を見ている

 

その点、薬剤師は薬に関してのみ集中的に深く関与する立場である。添付文書改訂の追跡、副作用報告、相互作用の把握、剤形や製剤工夫、副作用の回避策など、「薬の専門家」として、他職種が見落としがちな視点を提供できる。

 


この補完関係は、情報の正確性だけでなく、診療全体の安全性と効率性に大きく寄与する。

 

 

 

協議が生む付加価値と信頼

 

薬剤師の真の役割は、単なる情報提供者ではない。医師の診療意図を汲み取りつつ、薬学的見地から「この薬がこの患者に適している理由」や「より適切な代替案」をともに考えるディスカッションパートナーとしての存在である。

 


この関係性が築かれれば、「○○先生ならこう考えるだろう」と先回りした提案も可能となり、医師にとっても頼れる存在になる。

 

 

 

AIでは代替できない領域

 

医薬品情報はデータベース化され、AIでもある程度の対応が可能になってきている。しかし、その患者背景、診療現場の空気感、医師の思考パターンに即した「気の利いた提案」は、人間にしかできない。

 


つまり、薬剤師が「その場で、気づき、判断し、対話できる」ことにこそ価値がある。

 

 

 

 

 

 

終わりに

 

薬剤師が医師と協議し、処方の背景や薬物治療の方向性を共有すること。それは医療の質を高めるだけでなく、自らの存在価値を最大限に発揮する行為である。調べればわかる時代だからこそ、「ともに考える」姿勢が薬剤師の真価を際立たせる。

 

おまけ

愛用してる医薬品


日頃のスキンケアは、肌の健康維持に欠かせない。薬局勤務時代も、基剤の使用感や好みを考慮して患者さんに製品を勧めていた。同じ有効成分でも、使用感が合わなければ継続しにくい。複数の製品を試し、自分に合うものを選ぶことが重要である。

ヒルマイルドは、ヘパリン類似物質を有効成分とし、ヒルドイド®️と同じ成分を含む。乾燥肌や荒れた肌のケアに、試す価値がある製品といえる。