薬剤師夫婦/夫です。

はじめに
頭痛は日常的に多くの人が経験する症状である。一般的にはアセトアミノフェン(カロナール®️)やNSAIDs(ロキソニン®️など)が使用されるが、これらが無効な症例も存在する。そのようなケースにおいて、コーヒーやエナジードリンクに含まれる「カフェイン」が効くことがあると体験的に語られる。本記事では、カフェインの作用機序と頭痛への有効性を整理する。
カフェインの作用機序
カフェインはアデノシン受容体を遮断し、中枢神経を刺激することで覚醒作用を示す。また脳血管を収縮させる作用を持ち、血管拡張に伴う頭痛を軽減する可能性がある。このため、一部の市販頭痛薬(例:エキセドリンA錠など)には補助成分としてカフェインが配合されている。
ここで言及しておきたいのは、カフェイン自体に頭痛抑制効果が期待できる点にある。
NSAIDs自体が頭痛を引き起こす(MOH)こともあり、配合されるカフェインが治療効果を発揮しているにも関わらず中止せざるを得ないのは勿体無い。
やはり薬物治療は単剤が評価しやすいのである。
(市販薬の多くは配合薬。)
エナジードリンクは有効か?
エナジードリンクには1本あたり50〜80mg程度のカフェインが含まれており、コーヒー1杯と同程度である。そのため、カフェインが著効する症例においてはエナジードリンクが効く可能性もある。ただし糖分やその他成分の影響、含有量のばらつきを考えると、安定した効果を期待するには不向きである。
市販薬で効率よくカフェインを摂取する方法
効率よくカフェインを摂取したい場合は、以下の選択肢がある。
無水カフェイン錠(第3類医薬品)
1錠あたり100mgを含有し、正確に投与量をコントロールできる。
コーヒーやエナジードリンクよりも、医薬品の方が効率的かつ安全に摂取できる。
頭痛タイプ別にみたカフェインの有効性
片頭痛(血管性頭痛)
脳血管拡張が関与。
NSAIDsやアセトアミノフェンが効かない場合でも、カフェインの血管収縮作用が有効なことがある。
軽度〜中等度発作では有効性が高い。
緊張型頭痛
筋緊張や心理的要因が関与。
一時的に痛みが和らぐことがあるが、過剰摂取はかえって頭痛を悪化させる。
群発頭痛
三叉神経自律神経反射が病態の中心。
カフェインの有効性は乏しく、酸素吸入やトリプタンが標準治療。
注意点とリスク
カフェインは万能薬ではなく、全ての頭痛に効くわけではない。
頻用すると薬物乱用頭痛(MOH)を引き起こす。特に週2回以上の常用は避けるべきである。
成人の安全な摂取上限は1日400mg程度とされている。
心疾患や不眠、胃潰瘍を持つ人では使用に注意が必要である。
また、治療効果を示す用量は極小量で効く人もいればそうでない人もいる。
用量の評価も必要となる点にも注意したい。
まとめ
カロナールやロキソニンが無効な頭痛に対しても、片頭痛タイプであればカフェインが有効なことがある。しかし、緊張型頭痛や群発頭痛には効果が乏しい。効率よく摂取するには市販の無水カフェイン錠が有効だが、乱用は避けるべきである。カフェインは「時々使う補助的手段」として活用し、頭痛が頻発する場合は必ず医療機関で原因精査と適切な治療を受けるべきである。
