薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【頭痛治療の考え方】54歳女性のケースを通じて

 

薬剤師夫婦/夫です。


今回は頭痛に悩む54歳女性のケースをもとに、薬学生に役立つ知識を整理する。

 

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症例紹介

 

患者は54歳女性。定期薬としてアトルバスタチン5mgを夕食後に服用している。整形外科で腰痛のためトラマドール・アセトアミノフェン配合錠(トラムセット®️)を継続中。近頃頭痛がひどく、ロキソプロフェン(頓服)を処方された。服用は「朝に1回」とのことだが、本来頓服薬であり、この使い方には注意が必要である。

 

 

 

服薬状況とリスク

 

アセトアミノフェン(AAP)とNSAIDs(ロキソプロフェン)の併用は、作用機序の違いから基本的には問題は少ない。しかしAAPには微弱なCOX阻害作用も含まれ、NSAIDsとの併用で消化管障害や腎障害リスクが増加する可能性がある。なお、ロキソプロフェンの適応症には「頭痛」が含まれておらず、疑義照会が必要である。(脊椎麻酔後頭痛を除く)

 

 

 

頭痛原因の考察

 

このケースで考えられる頭痛の原因は以下の通りである。

 


薬物乱用頭痛(MOH)

ロキソプロフェンは以前から頓服で使用しており、AAP開始前から頭痛があったため、AAPによるMOHの可能性は低い。


緊張型頭痛

効果確認が必要。改善が不十分であれば、筋弛緩薬(エペリゾン)や漢方薬(葛根湯)の併用を検討すべきである。


片頭痛

効果不十分の場合、専門医の受診を勧めるべきである。(受診勧奨)


群発頭痛

痛みの程度や特徴からこの可能性は低い。

 

 

 

 

対応と提案

 

ロキソプロフェンは「頭痛時のみ」の頓服使用を指導し、効果不十分や胃症状、浮腫が現れた場合は速やかに相談を促すべきである。頭痛の原因を推定し、適切な治療薬や必要な受診を提案し、処方医との情報共有を行うことが重要である。

 

 

 

まとめ

 

頭痛治療には病態の見極めと適切な薬剤選択が求められる。薬剤師として、患者の服薬状況や副作用リスクを把握し、処方医との連携を図りながら最善の対応を模索することが求められる。

 

 

 

おまけ

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アリナミンEXプラスを続けることで、肌荒れや吹出物の改善を実感している。含まれるビタミンB1誘導体は皮膚代謝を助け、ビタミンB6は皮脂分泌の調整と抗炎症作用で肌荒れを防ぐ。ビタミンEの抗酸化作用は肌細胞を保護し、肌の調子を整える。長年の使用から、安全性の高さを実感しており、肌の健康維持に役立つと感じている。

 

 

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