薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【疑義照会】薬物の適正使用

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

今日は薬局薬剤師が行う疑義照会について、最近あった事例をみながら考えたいと思います。

 

  • 疑義照会とは
  • 薬局薬剤師の視点
  • 事例報告
  • 薬薬連携

 

処方箋の内容で疑わしい点がある場合はこれを解決してからでなければ調剤してはならない。

 

疑わしい点を医師に問い合わせ確認することを疑義照会といいます。

 

多くの場合は医師に問い合わせるとその前に電話交換や病院薬剤部に繋がります。

 

薬局薬剤師の視点として、薬物の適正使用において、保険調剤を行っている以上、原則保険で認められた使用方法でなければ薬物を使用してはならず、保険適応外の使用方法が疑われる場合はこれを解決してからでなければ調剤できません。

 

もちろん医師の裁量により、治療上必要なことを優先するのは薬学的にも当然のことです。

 

最近、ある病院に電話で疑義照会を行ったときの話です。

 

病院薬剤部の薬剤師↓↓

「薬の在庫がないと言う理由で処方内容や日数の変更はできません」

 

『なんと?!』

 

異物混入や承認以外の製造方法で製薬したなど医薬品業界では今、医薬品の回収や販売中止が相次いでおり、それによる出荷調整が頻発しております。

 

それを受けての今回の病院の対応だと思われますが、あまりに杓子定規な対応に同じ薬剤師としてガッカリしました。

 

疑義照会の内容も詳しく聞く前からの返答でしたので、薬剤部が『考えて』薬物治療をしているのか疑問でした。

 

確かに、医薬品の供給状況で出荷調整があり、その結果欠品(在庫不足)となり疑義照会したことに間違いはありません。

 

ただ、この電話で変更できなければ、誰にどのような事が起こるのか薬剤部は考えてなかったのではないでしょうか。

 

実際に変更されなければ、治療上すぐにでもお渡しして服薬してもらうのが妥当な薬が患者さんの手に渡らず、結果的に医師の思う治療が遂行できない事態に陥ります。

 

薬剤部は病院医師に問い合わせるのが気が引けるのか、理由は定かではありませんが、医師が最も気を悪くするのは自分の治療が理不尽で実行されないことではないでしょうか。

 

院外処方箋の記載上、薬局では疑義照会が必要であるが、その変更が治療に差し支えずむしろ必要な変更であることは薬剤師なら分かるはずです。

 

これを考えようともせず、病院の内規を優先した薬局への対応をするなら薬薬連携(薬局と病院薬剤部との連携で地域医療を支える事)など到底できない話です。

 

他職種連携が叫ばれ、様々な医療従事者とコミュニケーションをとっていく必要がある中で、薬剤師同士がこれでいいはずがありません。

 

少なくとも同じ薬剤師として、志しを同じくする同志なら、薬物の適正使用に貢献したいという根本的なところはブラさずにいて欲しいと思いました。

 

根気強く変更の必要性を伝えると最後には医師に確認し変更してくれたので事なきを得たのですが、どこで働く薬剤師だとしても医薬品の供給状況には気を配っておくべきだと感じました。