薬剤師夫婦/夫です。

ランマーク(デノスマブ)投与中の補助療法として、「ビタミンDは併用すべきか?」という疑問は臨床で非常に多い。結論から言えば、ビタミンDの併用は原則必要である。ただし、「どのビタミンDか」によって意味合いは大きく異なる。
ランマークはRANKL阻害により骨吸収を強力に抑制する。その結果、血中カルシウムが低下しやすく、低カルシウム血症のリスクが高まる。このため、カルシウムとビタミンDの補充は基本的な対策となる。
ここで重要なのが、ビタミンDには「天然型」と「活性型」の2種類がある点である。
デノタスに含まれているのは天然型ビタミンD(コレカルシフェロール)であり、これは体内で段階的に活性化されるため作用は比較的穏やかである。カルシウム吸収を底上げし、低カルシウム血症の予防として適している。したがって、ランマーク投与中の基本は「カルシウム+天然型ビタミンD」であり、デノタスはその目的に合致した製剤といえる。
一方、エルデカルシトールは活性型ビタミンDであり、すでに活性化された状態で作用する。そのため腸管からのカルシウム吸収促進作用は強く、PTH抑制作用も明確である。しかしその反面、高カルシウム血症のリスクも高くなる。実際に添付文書でもビタミンD製剤との併用は「注意」とされている。
では、エルデカルシトールは使うべきではないのか。答えは「必要な症例では有効である」。例えば、慢性腎臓病でビタミンDの活性化が低下している症例や、低栄養、高齢、骨転移などで低カルシウム血症リスクが高い場合には、活性型ビタミンDの追加が有用となる。ただしこの場合は、用量を抑えつつ血清カルシウムやリンの定期的なモニタリングが必須である。
まとめると、ランマーク投与中のビタミンD併用は「必須」であるが、その第一選択は天然型ビタミンDであり、活性型ビタミンDは症例に応じて慎重に追加するものである。
「ビタミンDを使うか」ではなく、「どのビタミンDをどう使うか」。ここを意識できるかが、安全な薬物療法の分かれ目となる。