薬剤師夫婦の日常

子供のことや薬の話

【情報提供】違う立場からの

 

薬剤師夫婦/夫です。

 

ニフェジピンCRという降圧剤がある。

 

CRとは徐放性、つまりゆっくり成分を放出させ徐々に血圧が下がるように製剤的工夫が成された錠剤を指します。

 

このように製剤的に工夫された錠剤を粉砕したり噛み砕いたりして服用したらどうなるか。

 

徐放性は損なわれ、降圧剤の場合、急激な降圧によるふらつき、転倒リスクが生じます。

 

血中濃度は安定せず、長期的な予後改善が見込めません。

 

先日病棟看護師から、「朝にニフェジピンCRを飲んでいる方で、嚥下機能が落ちてきた為錠剤の飲み込みが難しく、粉砕しないと飲めません。そもそも最近の血圧が低いにも関わらずあまり評価されてません。」

 

と情報提供がありました。

 

加えて、「看護師から薬のことを医師に言ってもあまり聞き入れてもらえません。薬剤師さんから情報提供してもらえませんか?」

 

疑義照会すべきところでしたが、主治医は外来に入っており、入院患者の明日朝の薬の継続可否を問い合わせるのは憚られた為、トレーシングレポート(服薬情報提供書、TR)を書くことにしました。

 

明日の朝までに確認してもらえなければ、スキップして病棟から即時指示受けしてもらうよう申し送りました。

 

その2時間後、薬局に病棟から連絡があり、「降圧剤中止です!抜薬お願いします。」

 

あまりにも早かったので理由を聞くと、「薬剤師さんから手紙が届いているので早急に読んでおいてくださいと伝えました。カルテ上で確認されたようです。」

 

なるほど。TRにそんな手があるのか。それならそうすると教えておいてほしかった気もするが、、、医師と意思疎通をとる新しい手段を得た気がした。